本番の立ち位置、音の方向

最終更新: 2018年4月5日



コンクールの際の立ち位置について、私も学生時代どうしようかと考えたことがあります。最近は、審査員をさせていただくこともありますので、その立場からも書かせていただきますね。


ホールによってさまざま

大抵のコンクール(ソロ)では、足元に目安としてテープなどで印があると思います。結論から言えば、その印に立つのがベストです。というのも、前の方に立ちすぎると舞台の反響がなくなって生音になってしまったり、逆に後ろすぎると響きでモゴモゴした演奏になってしまったり、といったトラブルが起きやすいからです。


ホールのステージマネージャーさんは、その傾向を知ったうえで印をつけてくれています。


「印より前に立ちなさい」とおっしゃる先生もいるかもしれませんが、審査をさせてもらう立場からいえば、できれば同じ条件で聴きたいと思っているものです。音をしっかり客席に届けるという意識を持って演奏するのが何よりの秘訣だと思います。


ゆっくりリハーサルできる場合は、自分の耳、録音機、信頼できる人の意見などを参考にベストな場所を探しましょう。プロの中には、舞台を叩いて足元に柱がある位置を探す人もいます。それでもお客さんが入ると響きは変わるため、私たち演奏家でも、「この位置が最高だった!」と演奏後に言い切れることは少ないです。


楽器をどこに向けるか

これについては私もまったく同じ疑問を持ったことがあり、大学生の時に友人たちとある実験をしました。


実験とは、まず一人が写真のような回る椅子に座りながらフルートを吹きます。もう一人がその椅子をゆっくり回します。数人が椅子の前に座って音を聞き、どこが一番大きな音がしたかを探るのです。(大学生にしてはなんとも原始的な実験で、思い出しただけで笑ってしまいます。)


さてどのような結果だったでしょうか。


私たち皆、足部管の先から音がすると思っていたのでびっくり。フルートが真正面に来た時が一番大きな音がしました。


それもそのはず、フルートは穴という穴から音が出るので、キーの隙間がたくさん向いている所がよく音が聞こえるのです。結論、あまり方向にこだわりすぎずに自然に演奏しよう、ということでまとまりました。


柔軟に対応する

ホールによって、お客様がいらっしゃる場所も違います(縦型、ヨコ型など)。客席と舞台の関係も、すり鉢状になっていたり、同じ高さだったり。とにかく会場によって一つとして同じところはありません。


私は、楽器の向きも、立ち位置も、「いつもこう」とは決めつけずに、柔軟でいようと思っています。Nさんも、先生やご友人の意見を参考にしながら、答えは一つだと思わずにいろいろ試してみてくださいね。

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