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執筆者の写真Yoshie Ueno

基礎練習と教則本について



はなさん、こんにちは。音楽高校でフルートを頑張っているのですね。

お家の環境にもよりますが、今は外出自粛要請も出ているのでたくさん練習できるチャンスですね。ぜひ効率よく頑張っていただきたいと思います。


私の学生時代の基礎練習

さて、ご質問にあった私の学生時代の基礎練習ですが、1日の練習のうち、3分の1くらいを基礎に充てていたように思います。9時間練習するなら、3時間分という感じです。


ただ、学生時代の練習は、今考えると無意味な練習が多かったように感じています。(そのあたりは、練習時間についてのところでも書いています。)


長ければ良いというものではないので、人のことは気にせず、自分の集中が持続するベストな時間を見つけておこなってくださいね。


目的を明確に

基礎練習と一言で言っても、いろいろなものがあります。

音色、息、タンギング、フィンガリング等、、、世にある教則本は、様々なアプローチでそれらを改善できるようになっています。


今自分がやっている練習は、音色改善のためなのか、呼吸をコントロールできるようにするためなのか、タンギングを自在に行うためなのか、指を均等に動かすためなのか、必ず明確にしてから始めてください。


やみくもに時間を重ねるだけの練習は、悪い癖がついたり体や指を痛めることにつながるので、くれぐれも気を付けてくださいね。


私の基礎練習

はなさんが使っている『ソノリテ』、『タファネル=ゴーベール』はどちらも素晴らしい教則本です。私も、どちらも8歳から今でもずっと使っています(もうボロボロになっています)。


特に『タファネル=ゴーベール』は無限のアレンジが可能なので、曲のための練習材料として自分なりにアレンジしながら今も毎日使っています。


それらとは別に、お気に入りの本を3冊ご紹介しますね。(中級、上級レベル用です)



フィリップ・ベルノルド先生の『アンブシュアのテクニック』。


タイトルはアンブシュアとなっていますが、息の使い方やコントロールについて学ぶことができます。(上手な息の使い方の先にリラックスしたアンブシュアがあるという考え方なので、このようなタイトルがついているのだと思います。)


口から出ている息を見るつもりで、よく観察しながら吹くことがポイントです。




モイーズの『練習曲と技術練習』。


正確に吹き通すのはかなり難しく、初めは発狂しそうになります。


ただ、この本の練習が難なくできるようになったら、奏法が安定してきたという目安になります。身体の無駄な力を抜いて、楽に吹き通すことを目指してみてください。


私はこの中の1番、5番、12番をここ10年間、毎日やっています。




パウル・マイゼン先生の『クロイツェル・フルート・エチュード』。


ヴァイオリンの古典「クロイツェル教本」を元に、マイゼン先生がフルート用に編纂されています。


エチュード部分も楽しいですが、冒頭に並べられた A-1、A-2、B-1、B-2 の部分が、とても勉強になります。


解説ページに書かれた、『唇の緊張感と息の流れのバランスが正しくなった時のみ、響きが壊れないで済みます。この際の簡単な規則は「柔らかい口元と力強い息の流れ。」』この部分は、拡大コピーして、長い間、自分の練習室の壁に貼っていました。



以上、私が個人的に好きな教則本を挙げさせていただきました。(個人的に、息の使い方が最も重要だと思っているので、それらに偏りぎみのラインナップになりました。)


もちろん他にもたくさんあって、それらはどれも使い方によって良薬にも毒にもなります。

前半でお伝えしたように、目的意識をしっかり持って基礎練習に励んでいただきたいと思います。


基礎練習は焦らずコツコツと

また、基礎練習は数か月してからだんだん効果が現れてくるものも多いです。焦らず、毎日少しずつ積み重ねてくださいね。


最後に、私が基礎練習をするときにいつも思い出す座右の銘、イチロー選手の言葉を載せておきます!


『小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道。イチロー』

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